コーヒーを巡る冒険〜ご挨拶に代えて〜

はじめまして。このブログでは、忙しい店主に代わり、東京在住のかつてのスタッフ(私のことです)が、コーヒーや喫茶店の話題を中心に、さまざまな情報をお届けします。

タイトルは、先日観た映画「コーヒーをめぐる冒険」(原題「Oh Boy」2013年・独)からの借り物です。そこで、最初は、この映画のお話から。 ドイツで沢山の賞をとったこの映画は、ご覧になった方も多いと思いますが、主人公の若者の、コーヒーを飲み損ねた朝から始まる一日が、ユーモアを交えた軽快なタッチで描かれています。1970年代のニュージャーマンシネマとはまたひと味違う、みずみずしいモノクロームの映像が印象的でした。

ところで、コーヒーにまつわるエピソードの一つに、街のコーヒーショップに立ち寄った時、3ユーロ以上するコーヒー代に主人公が驚く場面があります。ドイツの物価が良くわからないので日本のコーヒーの値段とそのまま比べられないのかもしれませんが、このあたり映画の筋に関係なく、ちょっと興味をそそられます。以下、そのやりとりです。

主人公「コーヒー」
店員「…(ロブスター?)とアラビカとどっちにする?」
主人公「どっちが普通のコーヒーに近い?」
店員「…あたしはどっちも好きだけどね。」
主人公「…アラビカを。」
店員「3.5ユーロ」
主人公「…えっ、コーヒーが  3.5ユーロ!?」
 

これは、大学を辞めて親からの援助を打ち切られた彼の事情を考えれば当然の反応ですが、結局コーヒーを飲まずに店を出る主人公に、若いときの自分を重ね合わせて思わず苦笑いをしてしまいました。何か切ないですね。ともあれ、マシンで簡単に抽出するコーヒーの値段(1ユーロ=140円前後として500円くらいの感覚でしょうか?)もそうですが、日本と違って種類をロブスター(?)とアラビカで分類しているのも、新鮮でした。

結局彼は、行く先々でコーヒーを飲み損ねながら、さまざまな出来事に巻き込まれていくのですが、最後にちょっとした事件が起こり自分の意志で行動します。その事件の結末はほろ苦いモノですが、その結果(?)、一日が終わり夜が明けようとするとき、ようやくコーヒーを手にすることができます…。 このように書いてしまうと、ストーリーに何か作為的なものを感じてしまう(!?)方がいらっしゃるかもれませんが、映画はやれやれだったりクスッと笑ったりちょっと切なかったりで、なんでもない日常がいとおしくなるような、オススメの1編です。

…  今回は自己紹介ということもあり、タイトルの説明のためにこんな文章を書いてしまいましたが、次回からは、東京の気になる喫茶店をご紹介していきます。

コーヒーミル